人類は300万年も昔から火を使い「熱」を利用してきましたが、「圧力」は20世紀になって利用され始めたばかりです。水は気体・液体・固体と三つの状態に変化しますが、このような物質の状態を変化させることのできる状態変換因子は、物理的に「熱」と「圧力」のたった二つしかありません。食品の調理や加工で、「焼く」、「煮る」、「蒸す」などの熱の利用は、人類の歴史の中で確立されてきましたが、圧力の利用はまだ始まったばかりです。今後、圧力の利用は、現在の我々に計り知れない恩恵をもたらしてくれることでしょう。
圧力を利用する方法として、高い圧力の液体を人工的に発生させて、この静水圧を食品加工に利用することが行なわれています。液体内で食品を処理する方法は、圧力が瞬時に満遍なく容器内の隅々まで行き渡る利点があり、画期的な技術です。例えば、ビタミンなどの栄養素を減らすことなく非加熱で殺菌することができ、また、多量の食塩を加えて長期間の熟成を必要とした発酵食品が、食塩無添加でわずか数日で製造できた例もあります。このように高圧処理では、これまでの食品加工では不可能であったことを実現することができます。
最近では、高圧処理した無菌化包装米飯が121℃で4分以上のレトルト処理を行わなくても無菌化を達成することに成功しています。これは高圧処理することで他の多くの食品の無菌化が実現できることを示唆しています。さらに、
-20℃でも水が凍結しない高圧不凍域を利用して生体材料を長期保存することも研究され、臓器の保存などが実現されつつあります。
H・P未来産業創造研究会では、「圧力の利用」という新しい視点からのアプローチによって独創的な商品や研究成果を生み出すために、企業・研究機関と積極的に共同研究を行っています。さらに、本技術を活用する上で必要となる「高圧処理装置」は、誰でも自由に使うことができ、実用化するための方法(ノウハウ)や設備導入の支援も行っています。
当会は、多くの皆様に高圧処理を活用して頂き、人類に役立つ技術として普及させることを活動目的としています。高圧処理にご興味のある方、技術を利用してみたい方、高圧装置の導入を検討したい方など、高圧処理に関するすべてのご要望にお応えします。
私たちと一緒に圧力を利用した未来を創造していきませんか。